天才ジャズバラフォ二スト
DOU DOU DIOP
ドゥドゥ・ジョップ
ドゥドゥ・ジョップのバラフォン
高音から低音まで音階のついた18の鍵盤に共鳴器具であるひょうたんを大小18個ぶら下げた、ピアノの原型になったアフリカの木琴です。
ひょうたんには数箇所の円形の穴が空けられており、そこに薄めの紙フィルターを張ることで、ブォーンブォ―ンと強烈な重低音を放ちます。
バラフォンスティック(グルビガ―)の先端はゴムの樹脂で覆われていて、片手に二本握り締めて演奏する曲もあります。
又、バラフォンは、トゥルカ族の言語ではグラグ(神の宿る聖なる楽器)と呼ばれています。
ドゥドゥ・ジョップはトゥルカ族(現在のブルキナファソ)の世襲制音楽家として活躍していた父ドラマン・トラオレの息子として生まれました。父ドラマンは1930年ごろに現在のカオラック州での生活を始めました。
(注意)父の苗字はトラオレなのに、何故その息子の苗字がドゥドゥなのかという理由ですが、苗字のトラオレ(トゥルカの苗字)はセネガルにて身分登録をする場合、ジョップ(ウォロフの苗字)として政府に登録されるそうです。
現在、アフリカ大陸は西洋の支配により54の国々が建国されていますが、元来アフリカ大陸にはアフリカ独自の文明が発展しており、セネガル、ブルキナファソ、ギニアというように各国ごとに文化面で考えるよりも、西アフリカ一帯を一つの共同体として捉えた方が、彼らの文化をより深く理解できます。
また、その昔、西アフリカ一帯は、マンディングという一つの王国として栄えていたそうです。
世襲制音楽家たちの歌の中にも、頻繁にマンディング王国の歴史や王様を称える歌などが登場します。
実際にセネガル人の多くは、西アフリカを一つの共同体として考えており、日本で言うところの都道府県のような感覚なのだそうです。
また、市場では西アフリカ各国の特産品がずらりと並んでおり、国交が盛んな様子もうかがえます。
セネガルは西アフリカの中でも政情が安定しているため(一部の地域を除く)、さまざまな部族が安住しています。
そのため、少し隣町まで歩いただけでも、個々に発展した都会的な部族ごとの古典芸能(サバール、ジェンベ、バラフォン、フルート、コラ等)を垣間見ることができます。
1985年ドイツ、セネガル国立舞踊団バレー・ソラノの貴重な写真。
黄色のブゥブゥをまとっているのがドゥドゥ・ジョップ。
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